ラーメン官僚もうなる! 上井草『麺屋 わおん』の絶品すぎる「魚介とんこつつけ麺」とは?

ラーメン官僚もうなる! 上井草『麺屋 わおん』の絶品すぎる「魚介とんこつつけ麺」とは?
食楽web

 2019年8月24日、練馬区上石神井の住宅地の一角に、1軒のラーメン専門店が産声を上げました。そのお店の名は『麺屋 わおん』。

 平仮名で「わおん」と書きます。店主に聞いたところによると「わおん」という言葉が織りなす音の響きが気に入って、それをそのまま屋号としたとのこと。ちなみに、「わおん」を漢字で表記すると「和音」となります。周知の通り、「和音」とは、複数の音が同時に奏でられたときに生まれる音のこと。幾種類もの素材を掛け合わせることでひとつの大きなうま味を演出する、気鋭のラーメン店にふさわしい名前ですね。

 お店の場所は、最寄り駅である西武新宿線上井草駅からでも徒歩10分強、上石神井駅からだと徒歩15分弱の距離があります。都内のラーメン店としては、必ずしも公共交通機関の便が良い立地ではありませんが、同店の評判をリサーチしてみると、ラーメンマニアの方々からの絶賛の声が、随所から聞こえてきます。

店主の渡辺 茂さん


店主の渡辺 茂さん

 さらに、調査の過程で、店主である渡辺氏が、都内を代表する豚骨魚介ラーメンの実力店『麺彩房』の本店や五反田店(閉店)、『麺彩房弐NEXT』(閉店)などで、10年間修業を重ねた方であることが判明。

 私事になりますが、私は『麺彩房』の「つけそば」が大の好物! 甘みと酸味をほど良く利かせたスープは、ひと口啜っただけで胃袋が臨戦態勢となるのがまざまざと自覚的できるほどハイレベルです。それに、何と言っても『麺彩房』は、東京を代表する名門老舗製麺所のひとつ『大成食品』の直営店。スープに浸さず、そのまま食べても一皿ペロリといけるほど、麺が美味しいんです。

『わおん』に関しては、オープン直後に一度足を運んでいましたが、もう一度あの味を食べてみたいという欲求に抗いきれず、気が付けば、上石神井駅のホームに降り立っていました。

 先に書いたとおり、『わおん』の最寄り駅は上井草駅となりますが、同駅は各駅停車のみが停まる駅なので、急行等が停車する上石神井駅からのアクセスを試みる方も少なくないでしょう。同駅の北口を出て上石神井通りをしばらく進み、「セブンイレブン(練馬石神井2丁目店)」の先で3本に分かれる道の一番右の道に入ります。

 その道を真っ直ぐ進み、新青梅街道に出ると、右斜め前に「ミニストップ(練馬上石神井3丁目店)」が見えるはず。信号を渡り、ミニストップを右手に見ながら、さらにひたすら一本道を直進。この道程で合っているのか多少不安になってきた頃合いに、左手に見えてくるのが『わおん』です。

 特徴的なフォントで描かれた『麺屋わおん』の文字。訪問客を選ばないカフェのような外観は、店主の温かい人柄を反映しているかのようです。店内も、白を基調としたアットホームな空間が広がっています。

 この店は、地元の家族客からも高い支持を得ていますが、その理由のひとつが居心地の良さであることは、間違いないでしょう。

 メニューは、「魚介とんこつラーメン」と「魚介とんこつつけ麺」が、オープン当初以来の2枚看板。つけ麺には「辛つけ麺」というバリエーションもあり、様々なお客さんのニーズに応えます。

「魚介とんこつつけ麺」850円
「魚介とんこつつけ麺」850円

 同店を訪れた際に、最初に召し上がっていただきたいのは「魚介とんこつつけ麺」。麺は「中盛(麺量300g)」まで無料で増量することが可能です。おそらく、あっと言う間に平らげてしまうことになるので、よほど少食でなければ、迷わず中盛を頼んでください。

動物系出汁と魚介出汁とを、Wスープの手法でブレンドした絶品スープ
動物系出汁と魚介出汁とを、Wスープの手法でブレンドした絶品スープ

 スープは、豚骨・鶏ガラ等の動物系素材を丁寧に炊き込んだ動物系出汁と、サバ節・鰹節・煮干し等からうま味の粋を搾り取った魚介出汁とを、Wスープの手法により、絶妙な塩梅でブレンド。ズズッとひと口啜り上げれば、欲しいところに欲しいうま味が確実に存在することに、思わず感嘆の声を上げそうになってしまいます。

 特に、五臓六腑にじんわり沁みわたる乾物の風味を効果的に活用し、日本人であれば誰もが好感を抱くであろう和出汁感を十二分に演出できている点は、お見事だと言わざるを得ません。

 動物系素材の芳醇なコクも、魚介の引き立て役としての役割を全う。スープの土台として、全体のうま味を支えます。つけ麺にとっての必須要素である「酸味」と「甘み」の立たせ方も素晴らしく、開業してから日が浅いにもかかわらず貫禄さえ感じる出来映えです。

大成食品の太麺
大成食品の太麺

 麺はもちろん、店主の修業先と同じ『大成食品』の太麺。小麦の風味かぐわしく、のど越しも秀逸。モッチリとした食感が良い具合に存在感を生み、フルボディのスープをしっかりと受け止めます。

 麺、スープ、トッピング。パーツごとに丁寧で緻密な調理が施された、寸分の隙も見当たらない良杯。

 「修業先の味を、自分なりにさらにブラッシュアップしていきたい」と兜の緒を締める店主。舌が肥えたラーメン通も大満足の、豚骨魚介系のお手本のような1杯です。

「魚介とんこつラーメン」もオススメ!

「魚介とんこつラーメン」800円
「魚介とんこつラーメン」800円

 つけ麺と同様、動物系出汁と魚介出汁を別々の寸胴で作り提供時に合わせる「Wスープ」の手法を採用。修業先である『麺彩房』では、動物系素材と魚介素材を1本の寸胴で炊いているが、よりきめ細やかに味を調整できるようにするため、Wスープにすることにしたそう。

 素材の持ち味を活かした構成は、こちらでも健在。濃度も過不足なく、箸を持つ手が際限なく進む一杯です。

●SHOP INFO

麺屋 わおん 外観

店名:麺屋 わおん

住:東京都練馬区上石神井3-9-2
TEL:03-3929-3055
営:11:00〜14:00、17:00〜20:00
休:木曜、日曜夜

●著者プロフィール

田中一明
「フリークを超越した「超・ラーメンフリーク」として、自他ともに認める存在。ラーメンの探求をライフワークとし、新店の開拓、知られざる良店の発掘から、地元に根付いた実力店の紹介に至るまで、ラーメンの魅力を、多面的な角度から紹介。「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条から、年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。47都道府県のラーメン店を制覇し、現在は各市町村に根付く優良店を精力的に発掘中。

引用元:BIGLOBEニュース

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