家でゆっくり料亭気分 一般宅の注文3倍に 仕出し専門店の試み

 新型コロナウイルスの影響で飲食業界が苦境に立たされるなか、冠婚葬祭向けの仕出し専門店も打撃を受けている。3密回避のために、イベントの自粛や葬儀・法事の簡素化が進んでいるためだ。こうした状況を打開しようと、ある老舗専門店が「お祝い仕出しサービス」を始めた。コロナ禍で外出を控えがちな高齢者に、仕出し料理を楽しんでもらい、外出気分を味わってもらおうという試みだ。

 サービスを始めたのは、2020年に創業80年を迎えた冠婚葬祭仕出し専門店「魚伊三(うおいさ)」(本社・東京都練馬区、小美濃友一代表)。同社は葬儀や法事向けの仕事が売り上げの9割を占めていたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で会食抜きの法事などが増え、売り上げは7割ほど減った。

 その一方で、誕生日や家族の記念日に仕出し料理を注文する世帯が増えつつあり、売り上げを分析したところ、一般宅からの注文がコロナ禍前の3倍近くになっていた。葬儀や法事の場合、葬儀社に手数料を支払ったり、会場に派遣する従業員の人件費などが発生したりするが、一般宅向けはそうした経費がかからない。利益率も高いため、6月から「お祝い仕出しサービス」を本格化することにしたという。

 同社3代目で取締役の小美濃一喜さん(42)は「外食が困難とされる高齢者や幼児がいる家庭からの注文が多く、誕生日、長寿祝いなどの記念日のシーンで利用されています。仕出し料理は食器に盛り付けた状態で配達され、洗い物も不要なので、家事を気にせず、ゆっくり料亭気分を味わえることも需要増の背景にあると思います」と話す。

 18日夕、東京都練馬区の北川良二さん(70)の自宅に、魚伊三の会席料理と同社がコラボする専門店の花やケーキが届き、北川さんは妻や孫らと笑顔で食卓を囲んだ。20日の父の日を前に感謝を伝えようと、近所に住む息子の潤さん(42)が注文した。潤さんは「自宅なら感染を気にせず、おいしい料理とお酒を楽しめると思い、企画しました」。

 新型コロナウイルスの感染拡大が続き、先行きはまだ見通せないが、一喜さんは「一般宅の需要を掘り起こして、ピンチをチャンスに変えていきたい」と話す。【デジタル取材センター】

引用元:BIGLOBEニュース

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