スクリーンに感激、生の落語にワクワク…「客戻るのか」不安も 都内の映画館など再開

 東京都内の多くの映画館や一部の寄席が1日、約2カ月ぶりに営業を再開した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休業要請の緩和について、都が同日から映画館や劇場などの営業を認める「ステップ2」へ移行したことを受けた動きで、文化芸術との触れ合いを渇望していた人々から喜びの声が上がった。


 渋谷区の小規模映画館(ミニシアター)「ユーロスペース」は、観客の入場時に検温し、座席もひとつ飛ばしで販売するなどの感染防止策をとった上で営業を再開した。練馬区の会社員、鈴木拓さん(47)は「映画館の休業中は家で動画配信サービスを使って映画を見ていたが、ずっと大きなスクリーンで見たかった。きょうは2本見るつもり」と高ぶった表情で話した。

 ユーロスペースの北條誠人支配人は「休業中の2カ月は長かった。再開できてほっとしている一方、一度離れた客が戻ってきてくれるのか不安。この先再び休業要請があるかもしれない」と語った。

 休業を余儀なくされた全国のミニシアターを巡っては、映画監督の深田晃司さんや濱口竜介さんらが発起人となったクラウドファンディング「ミニシアター・エイド基金」に4月13日から5月15日までに約3万人から目標額の1億円を超える約3億3100万円の支援金が集まった。基金には全国の118劇場、103運営団体が参加しており、1団体あたり約300万円が分配される見通し。

 寄席も6月1日、新宿末広亭と浅草演芸ホールが営業を再開。来場者には入り口での手の消毒やマスクの着用を求め、座席の間隔を空けたり、休憩の回数を増やして扉を開放したりして、換気対策を講じた。出演者にも入館時の検温や、楽屋での滞在時間を必要最小限にすることなどを求めているという。

 浅草演芸ホールに鑑賞に来た大学教員、佐々木大介さん(51)は「通勤ラッシュの時間帯を避けて午前6時すぎに来た。寄席を見るのは3月10日以来。久しぶりに生の落語を見られるのが楽しみ」と話した。【井上知大、田中博子、竹内紀臣】

引用元:BIGLOBEニュース

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